メーターオープニングセレモニー

2008/06/22

LEXUSとかSUBARUとか、イグニッションONでメーターのオープニングセレモニーが始まる車をみて、以前からかっこいいなぁと思っていたのですが、思い立ってアヴァにも付けてみることにしました。
さてどうやろうかと考えてまず思いついたのは、回転数と速度の疑似信号を入れてやればいいんじゃないかと。
早速実験してみました。
回転計の方は良さそうなんですが、速度計の方がどうもうまくいきません。

元々速度計はあまり急に動くようにできていないようで、0->180Km/hを急に変化させると針がとんでもない動き方をしてしまいます。
<-ムービー

それに疑似速度パルスをいれるとその分の走行距離も増えてしまいます。
それならメーターを直接動かせばいいじゃないの?ということなのですが、メーターに使われているのは「交差コイル」というもので、単純に電圧を加えただけでは動かないようです。
いろいろ調べてみると、2つのコイルに SIN・COS の電圧を加えてあげればよいということがわかりました。

右のグラフで、横軸が角度、縦軸の水色がSINコイルの電圧、緑色がCOSコイルの電圧になります。

たとえば90°の位置に針を持って行きたいときは、SINコイルに+5V、COSコイルに0Vを加えればいいことになります。
で、マイコンでこの電圧を出してあげればいいのですが、普通のPICマイコンで-5V〜+5Vのアナログ電圧を出すのはちょっと難しいです。

じゃあどうするかというと、電圧を変える代わりにパルスの幅を変えて制御します。(PWMというやつです)

<- このグラフ、赤線をみると一瞬だけ+5Vになってすぐ0Vに戻る波形になっています。
これを平均すると0V付近の電圧を出していることになります。
+5V付近の電圧を出すときは、<-このようにほとんど+5Vで一瞬だけ0Vという波形にすればOKです。

パルス幅を変えることで 0V〜5Vの間の電圧を出していることと同じ働きになります。
でもこれではマイナス側の電圧が出せません。
どうするかというと、マイナス側もマイコンの出力につないで、コイルに反対に電圧をかけられるようにします。

<-このグラフはコイルの両端につながった2つの線の電圧を計ったもので、SINグラフのちょうど180°をまたぐところです。

180°までは黄色線の方はパルスを出さずに赤色線の方にパルスを出します。
180°を越えたら赤色先のパルスを止めて黄色線の方にパルスを出します。

パルスの幅もだんだん狭くなってきて、切り替えた後だんだん広くなっていきます。

こうすることでコイルにかかる電圧を -5V〜+5V まで変化させることができます。
こうしてできた回路がこれです。

始動のときだけ疑似パルスで動くように、リレーを使ってコイルの信号を切り替えます。
あと、オープニング中はバックライトを消しておけるようにもう1つリレーも付けました。
ユニバーサル基盤に回路を組みました。
リレーが大きいですが、部品数はたいしたことはありません。
プログラムも一応おいておきます。
(半日ででっち上げたプログラムなので怪しいところもありますが、つっこみ無用ということで^_^;)
<-AvaMeter.asm

開発環境は MPLAB Ver6.42 です。こちらから無料でダウンロードできます。

角度 -> SIN の変換はまじめに計算するととっても大変なので、あらかじめEXCELで作っておいた変換テーブルを使います。
COS は SIN+90°で変換します。
実際動かしてみると、速度計の動きがちょっと?です。
急に動かしても付いてこなくて、止めるとオーバーシュートしてしまいます。

仕方がないので、30Km/h以下と170Km/h以上をゆっくり動かすようにしました。
0->MAXの時は、<-のグラフの 緑色 -> 水色 -> 黄色 のように動かします。

これもあらかじめ作っておいた変換テーブルを使います。
メーター基盤へ配線します。

コイルへの配線が16本もあるのでちょっと大変です。
速度計の配線です。
左上のICから純正パルス信号を取り出して、基盤を経由してコイルへつなぎます。

下のひねってある赤・黄は、バックライトの線です。
コイル左にあるFETの真ん中の足から取り出して、フレキシブルケーブルの右から3番目へつなぎます。
信号をリレーで切り替えられるように、ICとコイルをつないでいるパターンをカットします。

もうこれで後には引けません。
こちらは回転計の配線です。

同じくパターンカットもします。
IGNの電源とGNDはここから取ります。

基盤のGNDは、信号系(ICなど)とパワー系(電球など)に分かれているようなので、ここは信号系のGNDから取りました。
基盤を裏蓋にねじ止めして完成です。
実際の動きはこんな感じです。
<-ムービー

まだ速度計の動きがちょっとぎこちないですね〜。
もうちょっとゆっくり動かした方が良かったかもしれません。

でもまぁこれでちょっとは高級車っぽくなった.....かな?
完全に自己満足の世界ですね。

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